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あらすじ

ある暑い夏の日、週刊『スキャンダル』誌で「戦後風俗史・番外編 ハマの野毛」を取材する記者・藤沢(近藤善揮)は、20年前、野毛から姿を消した男女の流しの芸人コンビの失踪理由を突きとめるため横浜・桜木町駅に降りたつ。すぐに藤沢は、「野毛について詳しい人物はいないか」と駅前に立つプラカード持ちの老人ザンパノイカ(いか八朗)に声をかける。あっちへ行けと追い払うイカ。何の当てもなく藤沢は野毛の街で聞き込みを始める。  

小料理屋「ミーナ」の軒先に、イカと一緒にいた愛犬を見つけた藤沢はその犬に誘われるかのように店に入る。そこには親子で店を切り盛りしている母・外村美奈子(速水今日子)と愛娘の彩音(相川由里)の姿があった。

ヴァイオリニストをめざす彩音には、自分ひとりでは抱えきれない大きな悩みがあった。自分の戸籍から自分の本当の母親が美奈子でないことを知り激しいショックを受けたのだ。彩音は、店の常連たちから「本当の母親は誰か」と真実を聞きだそうとするが誰も本当のことを教えてくれないと嘆き悲しむ。

一方藤沢は、芸人の失踪理由を調べていくうちに、女将・美奈子と娘・彩音の間にはある事件の真相が隠されていることがわかり、秘密の鍵を握るイカに取材料をはずみ、その真実を知ろうと「ミーナ」の店でイカを待つ。失踪理由と出生の秘密がついに明らかにされようとしている・・・。